AR(拡張現実)とは?VR・MRとの違いや事例から学ぶ活用法を簡単に解説!
「AR」って何となく耳にするけど、実際どんな技術なのかよく知らないな。VR・MRみたいな似た単語もあるけどどう違うんだろう。
こんな疑問・悩みにお答えします!
本記事を読めば分かること
- ARとは何か
- AR技術の仕組みと事例から学ぶ活用法
- VR・MRの特徴とARとの違い
AR(Augmented Reality」)とは、現実を仮想的に拡張する技術や仕組みを指します。
近年では様々な場面でARが活用されており、導入を検討している企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、「AR」という単語は知っていても、仕組みや活用法などはイマイチ理解できていないという方もいらっしゃると思います。
本記事では、ARの仕組みから活用事例だけでなく、VR・MRとの違いを簡単に解説していきます。
AR(拡張現実)とは?現実を仮想的に拡張する技術
ARとは、「Augmented Reality」の略で、日本語では「拡張現実」とも呼ばれ、現実世界に仮想空間の情報やコンテンツを重ね合わせて表示することにより、現実を仮想的に拡張する技術や仕組みを指します。
例えば、スマートフォンの位置情報を使ったゲームや家具を部屋に配置したときの状況を確認できるような技術が挙げられます。
また、日常的に用いられている例として、限られたスペースでしか情報を伝えられない本やポスターなどの紙媒体などでは、追加の情報を伝える有効な手段としても日常的に用いられています。
AR(拡張現実)の種類と仕組みを解説
ARはどういった仕組みで現実世界に動画や画像を表示させているのでしょう。
ARの仕組みはいくつかタイプがありますが、現実世界の認識方法の違いによって、「ロケーションベースAR」と「ビジョンベースAR」の主に2種類に分けられます。
それぞれ解説していきます。
ロケーションベースAR
「ロケーションベースAR」は、GPSやセンサー等を利用することで、自分の位置を特定し、周辺の情報を画面上にデジタル情報として合成表示させるARです。
位置情報技術を利用することで、現実世界の場所や方向を認識し、そこに紐づく情報やコンテンツを表示することができます。
例えば、地図アプリ上で実際の風景に矢印でルートを表示し、道案内や旅行体験といった目的で活用可能ですね。
位置情報とARが紐づいていることでARマーカーの設置が難しい屋外や、広範囲でのARの運用などに最適です。
ビジョンベースAR
「ビジョンベースAR」はカメラから取得した画像や空間・物体の情報を認識して、デジタルコンテンツを表示させるARです。
この方法はさらに2種類に分けられ、画像を認識するARを「マーカー型AR」、空間・物体を認識するARを「マーカーレス型AR」と呼びます。
「マーカー型AR」は、画像を読み取ることで、デジタルコンテンツをデバイス上に表示させる方法です。
この読み取る画像のことをマーカーと呼びます。
代表的な活用方法として印刷物や、商品パッケージなどと組み合わせたプロモーションなどに多く使われています。
一方で、「マーカーレス型AR」はマーカーが不要でARを体験することができます。
例えば、自宅の床や壁を認識し、そこに家具を配置してみるとどうなるかといったシミュレーション結果をスマートフォンで表示させることが可能です。
服や靴、インテリアの配置や、アクセサリーなど、試着のシミュレーションを行うことで、顧客の購入後のミスマッチを防ぐ目的でも使われています。
ARを使った活用事例4選:事例をもとに活用法を学ぼう!
AR技術は、スマートフォンやタブレット端末などの普及に伴い、様々な分野での活用が進んでいます。
では、現在どんな用途でARが活用されているのでしょうか。
ここでは有名な活用事例をもとにARの活用法について紹介します。
- ポケモンGO
- IKEA Studio
- Googleマップ ARナビ
- スターバックス さくらAR
順番に紹介していきます。
ポケモンGO
ポケモンGOは、AR(拡張現実)技術を活用して、現実世界でポケモンを捕まえたり、バトルしたりするゲームです。プレイヤーは、スマートフォンのカメラを通して、周囲の風景にポケモンが現れるようになっており、まるで本物のポケモンがそこにいるかのような臨場感を味わえます。
「ARモード」では、ポケモンを撮影することができ、ポケモンが現実の風景の中にいるように写真を撮ることができ、自分だけのオリジナル写真を作ることができます。
AR技術を活用することにより、ポケモンGOはよりリアルなゲーム体験を提供しています。このようなAR技術を取り入れたゲームは今後も増えていくことが予想されます。
IKEA Studio
IKEA Studioでは、AR(拡張現実)技術を活用して、IKEAの家具を仮想空間に配置して実際の部屋のイメージをシミュレーションすることができます。
ユーザーはスマートフォンやタブレットで自分の部屋の写真を撮影し、IKEAの家具を仮想空間に配置することが可能。さらに、家具の色や素材を変更したり、角度を調整したりして、自分の好みに合わせた部屋のイメージを作り出せます。
また、実際の部屋のサイズを測定することもできるため、家具の配置が現実に収まるかどうかを確認でき、実際に家具を買いに行く前に、自分の部屋に合わせた家具の選定が容易になり、買い物の失敗のリスクが低くなります。
このように、ユーザーがIKEAの家具をより実感的に体験し、自分の部屋に合わせた家具の選定を支援することができる事例です。
Googleマップ ARナビ
Googleマップの「ARナビ」とは、AR(拡張現実)技術を活用して、スマートフォンのカメラを通して現実世界を撮影し、その映像にナビゲーションの情報を重ね合わせて、目的地までのルートを案内する機能です。
実際に歩いている道をスマートフォンのカメラを通して見ながら、その方向に進んでいくだけで目的地までたどり着くことができます。また、ナビゲーションの情報は画面上に表示されるため、手を使わずに視線だけで情報を確認することができます。
GoogleマップはARの技術を活用することによって、従来よりも直感的なナビゲーションを実現しました。
スターバックス さくらAR
『さくら AR 2023』で心はずむ、さくら体験🌸🐻
— スターバックス コーヒー (@Starbucks_J) February 15, 2023
カメラをかざすと、あなたの目の前にさくらの木が出現✨
春がだいすきなベアリスタは踊りだす🎶
さらに、店舗ポスターのQRを読み取ると・・・?
ARでひと足早い"さくら"を体験してみませんか。https://t.co/jjgPaURFID pic.twitter.com/046szmMKV6
スターバックスの「さくらAR」では、店頭ポスターやレシート、買い物袋などについているQRコードを読み取ると、目の前に桜の木が出現し、ベアリスタのダンスを見ることができます。
アプリ不要で誰でも気軽にARの体験を楽しむことができ、さくらの季節を感じながら店内でくつろぐ時間をより楽しめるコンテンツです。
また、この「さくらAR」は、SNS映えする写真を撮りやすいことからSNSで拡散されており、毎年多くのユーザーがARの画像や動画を投稿しています。
既存の商品やサービスにARを使うことで付加価値をつけ、プロモーションのクオリティの向上や他社との差別化が図れるのもARのメリットと言えるでしょう。
\ 基本から応用事例まで徹底解説!/
VR(仮想現実)とは?特徴や活用事例を紹介
VRとは「Virtual Reality」の略で、日本語では「仮想現実」と呼ばれており、仮想現実空間を体験する技術です。
専用のゴーグルを装着することで、360度映し出された映像の中で色々な体験ができます。
- 仮想現実空間を体験する技術
- VRゴーグルなどのデバイスを使用して、仮想現実空間に入り込むことができる
- ARとは違い、カメラからの映像は使わない
ARは、現実の世界に仮想的な情報を加えることで、より多様な情報や体験を提供することができる一方で、VRは、完全な仮想空間に没入することで、よりリアルな体験を提供できます。
「現実ではないのにまるで現実かのように思わせる技術」がVRで、「現実世界の一部に仮想世界を映し出す技術」がARということです。
では、VR(仮想現実)は一体どんな場面で活用されているのでしょうか。
VRを使ったサービス・活用事例
VRが使われる場面で多いのは主にエンターテインメントですが、最近ではビジネスシーンでの活用も進んでいます。
代表的な活用事例やサービスをいくつか挙げてみましょう。
エンタメでのVR活用事例
エンターテインメントでの活用事例では、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のVRコースターなどが挙げられます。
通常のコースターと合わせてゴーグルを使用し、乗車中に仮想現実空間に没入することで、より臨場感ある乗り物体験を提供しています。
ビジネスシーンでのVR活用事例
他にもビジネスの活用事例では、住宅の内見をVRで行うことで不動産業務の効率化を目指した「VR内見」。
建設現場などでの、墜落、落下、挟まれ、火傷等の体験をVRで再現し、安全教育に役立てる「安全体感VRトレーニング」など教育の場面でも活用も進んでいます。
VRの技術も徐々に身近なものになっており、娯楽だけでなく、今後ビシネスから教育、医療現場など様々な場面での活用が期待されています。
MR(複合現実)とは?特徴や活用事例を紹介
MRとは「Mixed Reality」の略で、日本語では「複合現実」と呼ばれており、現実世界と仮想現実空間を融合させた技術です。
現実世界に仮想的なオブジェクト(立体的なグラフィックスや映像、文字、アイコンなど)を表示させて、それらを操作することができ、現実と仮想の世界を融合することができます。
- 現実世界と仮想現実空間を融合させた技術
- MRデバイスを使用して、現実世界にデジタル情報を表示しながら、その情報と対話することができる
- 現実世界の視覚情報にデジタル情報を付加し、現実世界での操作を行う
ARとMRの違いとして、ARで出したデジタル情報はデバイスでしか操作ができないのに対して、MRではデジタル情報に直接触れて操作でき、書き換えるといったことが可能になるという違いがあります。
MRを使った活用事例
MR技術を活用することで、現実空間にデジタル情報を重ね合わせ、立体的な視覚体験を提供できる特徴を活かし、様々な分野での活用が進んでいます。
修理や点検作業でのMR活用事例
トヨタ自動車では自動車の修理や点検業務においてMRが活用されています。
紙媒体や2Dのイラストでは分かりづらかった自動車整備の作業手順書や修理書などを、MRの技術を用いて3Dの作業手順書・修理書を現実空間に重ねて表示させることで、整備士は直感的に理解でき短期間で質の高い作業が可能になります。
教育目的での活用事例
MRは作業の効率化だけでなく、教育目的でも活用が進んでいます。
例えば、メルセデス・ベンツの自社のトレーニングセンタでは、修理作業員の修理技術の取得や販売員の新車の特徴の理解を高めるために、MRの技術が活用されています。
車両の内部構造を3D表示させ、複雑な構造を直観的に理解しやすくすることで学習効率の向上やコスト削減を目指しています。
比較してみよう!AR・VR・MRの違いまとめ
今回解説した内容を簡単にまとめた表が以下の通りです。
AR(拡張現実) | VR(仮想現実) | MR(複合現実) | |
---|---|---|---|
イメージ | 出典:Freepik | 出典:Freepik | 出典:Freepik |
技術内容 | 現実世界にデジタル情報を反映させる技術 | 仮想現実空間の体験を提供する技術 | 現実世界と仮想世界を融合させた技術 |
現実のもの | 見える | 見えない | 見える |
特徴 | 仮想オブジェクトに触れたり、動かしたり、音声で操作ができる | コントローラーを使って仮想世界に干渉できる | 現実世界で手を動かしたり、音声認識やジェスチャー認識でコントロールすることができる |
利用デバイス | スマートフォン、ARスマートグラス | VRゴーグル、コントローラー | MRゴーグル |
最後に.
AR(拡張現実)は、現実世界にデジタル情報を加えることによって、私たちの日常生活をより豊かにする可能性を秘めた技術です。
広告や教育、観光、ゲームなど、様々な分野で活用され、その需要はますます高まっています。さらに、ARは、VRといった他の技術と比較して、現実感を損なうことなく、現実世界をベースにしたコンテンツを提供することができる点が魅力的です。
このようなARの可能性に注目し、今後ますます多くの分野で活躍が期待されています。
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